大王わさびについて
Wasabi
日本原産のハーブの一種で、
主に根が知られていますが、
すべての部分が食べられます。
- 一般名
- 本わさび(日本わさび)
- 学名
- Wasabia japonica Matsumura.
(Eutrema japonicum (Miq.) Koidz.) - 英名
- Wasabi
- 俗称
- 沢わさび・水わさび
- 植物
- アブラナ科の多年草飾物
- 原産地
- 日本
- 主成分
- カルシウム、ビタミンB6、食物繊維、アリルからし油
安曇野わさび
安曇野は北アルプスの扇状地に位置し、栄養豊富な湧き水でわさびは育っています。
この恵まれた環境のおかげで、日本最大の平地わさび農場である大王わさび農場は100年以上にわたって継続しています。わさびの栽培には清らかな湧き水が欠かせません。大王わさび農場の地下からは水が絶えず湧き出ているので、安定した条件でわさびが育ちます。
わさび栽培には涼しさも欠かせないため、畑の周囲には日陰を作るためにポプラやアカシアの木を多く植えています。
暑い夏には、黒い日よけネットも使用して温度をさらに一定に調節します。
安曇野わさびは生育に1年以上かかりますが、その分、一般的な品種よりも辛味が強く、香りが強い高品質のわさびが生まれます。
わさびの効能
食欲増進
わさびの辛味が料理の味を引き立て、食欲をそそります。
抗菌、防カビ、消臭効果
アリルマスタードオイルの抗菌作用により、わさびは大腸菌や連鎖球菌などの特定の細菌を除去するのに役立ちます。また、魚の臭いを中和し、細菌の増殖を防ぎます。
血液循環促進
血小板の凝集や血液凝固を防ぐ効果があります。
ビタミンB1の合成を促進することも確認されています。
栽培方法
石洗い・整地
ジョレンという道具を使い、湧水の流れを良くします
うね立て
地形を生かし、角度を工夫して湧水の流れを調整します
定植
うねの両脇に手作業で苗を植えます
生育
排水磨き、アオミドロ掃き、雑草取りなどの手入れをします
収穫
道具はなく、手作業で掘り取ります
まるごと美味しい
大王わさび
①根茎(イモ)
コブの間が狭いものが良い。わさびは茎の内側から新芽を伸ばし、外側の古い茎を落としながら成長する。茎に近いほうが若く新鮮なので、上からおろしていく。
②花
花は年に3回咲きます。12月頃に咲く1番花。3月頃に咲く2番花。5月頃に咲く3番花。3月頃に咲く2番花が白くかわいく咲き誇っている様子が農場内で見ることができます。また、天ぷらなどにして食べることもできます。
③葉
葉は葵の形をしていて、「山葵」の漢字の由来になったと言われています。色が濃く、本わさびソフトクリームの色付けにも使用しています。
④ひげ根
地中に伸びる根。地中の栄養分を吸収する。辛味があるので、漬物や焼酎にしても合う。
わさびのいろは
根茎を整える
茎を外側から1本ずつ丁寧にむしり取ります。
おろし器で風味が変わる
なるべく目の細かいおろし器を使って、茎の方から軽く円を描くようにおろしてください。
美味しいおろし方
辛味を出すコツは、少量の砂糖を茎の方に付けてすりおろす。わさびのアク(苦味)が消え、香りと辛味が引き立ちます。
風味は温度が命
わさびの風味成分は、常温で蒸発しやすく、常温で辛味と香りが出始めてから約5〜10分でピークを迎え、その後落ちていきます。
本当に美味しくわさびを味わうためには、素早く食べきるか、わさびの温度を下げることが肝心です。
大王のわさびは時季がなく
1年中楽しむことができます
わさびを育てる条件
水温 | 10℃~15℃ | 16度以上になると水中に溶けている酸素量が欠乏した育成障害をおこす。 |
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水質 | 中性 | 鉄や硫黄などを含まず、フキ、イタドリ、セリなどが自生する。 |
水量 | 豊富で清澄 | アルプスに雪が降ってから6ヶ月かかって湧き出す水は、濁りを知らない。わさびが嫌うにごりは、その主成分である粘土分が作土中に広がるわさびの根が酸素不足によって障害をおこす。 |
大王農場の湧水
盛夏 (8月) |
厳冬 (1月~2月) |
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気温 | 最高31℃ | 最低-10℃ |
水温 | 14.5℃ | 13℃ |
湧水の性質
水質 | 弱アルカリ(ph7.2) |
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水量 | 1日120.000t (23万人が1日に使用する量) |
養分 | アルプスの雪が溶けて流れる時、腐葉土(落ち葉が朽ち、蓄積したもの)の中を通過してN・P・Kを含む |
生わさびの種類
沢わさび
(学名:Wasabi Japonica Matsumura)
豊富な清流を利用して栽培。栽培様式は色々ありますが、大王わさび農場では平地式と呼ばれる方式で栽培してます。平地式は大きな川の近くの平坦地を数メートル掘り下げて、伏流水の湧き出る所に砂で畝を作り、畝の両側にわさびを植えつける方法です。年間を通して水温が高くならないことが条件で、真夏に直射日光を避けるために緑蔭樹を植えたり寒冷紗で覆ったりしています。
わさび田の形式別比較表
主な栽培地 | 栽培期間 | 根付本数(3.3㎡) | 老朽化 (作土の不良化) |
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渓流式 | 中国系地方 | 2.5~3年日 | 60~70本 | 不明 |
地沢式 | 静岡県 安倍川上流地方 |
1.5~2年日 | 70~80本 | 20~25年 |
畳石式 | 静岡県 伊豆天城山地方 |
1.5~2年日 | 70~80本 | 15~20年 |
平地式 | 長野県 穂高町地方 |
1~2年 | 70~80本(石作り) 30~40本(砂作り) |
8~10年 |
※一般に連想する「わさび」と言えば、沢わさびのことを指します。
畑わさび
(別名:陸わさび)
沢わさびとの区別は、栽培上の相違です。直接流水を用いなくても比較的湿気が多い、夏涼しい土地に育てた場合を畑わさびと呼んでいます。畑わさびの中の窒素の含量は沢わさびより多く、品質は沢わさびに劣り取引価格も安い。しかし、開畑に要する費用が少なく、栽培も比較的容易であるといる利点があります。
西洋わさび
(別名:ホース,ワサビダイコン)
主にヨーロッパ北部(フィンランド地方)で栽培され、根茎をうすく切ってローストビーフの付け合せとして使ったり、ソースにおろしこんで魚料理に使ったりします。その昔、日本にも明治時代初年にアメリカを経由して入ってきたが、日本料理に合わなかった為、あまり普及しませんでした。現在は北海道,長野県,福島県その他の高地に主に栽培されていて、粉わさびの原料として使用されている。春期に植え付け、収穫まで7~8ヶ月かかり11月以降、葉が黄色くなってから機械で収穫をします。主に根茎を使用します。
練りわさび
西洋わさび粉と洋がらし粉を混合し特殊な加工をしたもの。